大阪・関西万博の会場中央に位置する「静けさの森」では、自然とアートが響き合う空間が広がっています。森の中に点在するアート作品は、「未来への問い」をテーマに設計され、訪れる人々に新たな視点をもたらします。世界的アーティストの作品を鑑賞できる「静けさの森アートプロジェクト」も予約不要で楽しめる絵一つとなっています。
大阪・関西万博の中心部に広がる「静けさの森」は約2.3ヘクタールの敷地に、大阪府内で間伐予定だった木々など約1,500本を移植してつくられた緑豊かな空間です。ここを舞台に展開される「静けさの森 アートプロジェクト」は、テーマ事業プロデューサーの宮田裕章をはじめ、建築家の藤本壮介、ランドスケープデザイナーの忽那裕樹らが共同でプロデュースしています。プロジェクトでは、「いのち輝く未来社会のデザイン」に向けた7つのテーマに沿って、アート作品やセッションイベントが展開されます。訪れる方々が多様な視点から「いのち」や「未来」について考えるきっかけを提供しています。
万博会場を囲むように設計された「大屋根リング」は、大阪・関西万博の象徴的な建築物です。その中央に位置する「静けさの森」は、来場者が喧騒から離れて静寂と向き合える貴重な空間として設けられました。宮田プロデューサーは、この森を「未来に向けて問いを立てる装置」と位置づけています。「大屋根リングが切り取る空」「アート作品に映り込む空」「Better Co-Beingパビリオンで見上げる空」来場者が共に空を見上げることで、異なる背景を持つ人々が共鳴し合う体験が生まれます。このような視覚的な体験を通じて、「未来をともに考える場」としての万博が形づくられています。
「静けさの森 アートプロジェクト」では、自然環境と呼応するように配置されたアート作品が楽しめます。時間帯や天候によってその印象が変化し、訪れるたびに新たな表情と出会えるのが魅力です。

「静けさの森」の一角に位置するパビリオン「Better Co-Being」でも、同様のテーマに基づくアートが体験できます。屋根や壁を持たないこの開かれた空間では、雨や光といった自然の変化も作品の一部となり、訪れるたびに異なる印象を受けます。

「静けさの森」以外にも、大阪・関西万博の会場内では、21点におよぶパブリックアート作品が展示されています。どれも国際的なアーティストによるもので、予約不要で自由に鑑賞することができます。