Artmerket.comが2021年アートプライス100(C)指標が36%の上昇を記録したことを発表

2022/07/25
by ADF Admin
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1時間ごとに更新される高付加価値データを提供

アートは今日、高いリターンをもたらすだけでなく、他の金融資産との相関が比較的低いオルタナティブ投資として広く認知されるようになっています。そのため、偉大なアーティストへの投資は、個人的な満足感と利益を得る手段として考えることができるようになりました。ただし、それには作品を売却する際の時間的制約や多額の関連費用など、アート市場ならではの特徴を考慮に入れることが条件となります。

「私たちは、アート市場の民主化のプロセスにおいて、アートプライスとともにこれまで25年にわたり主導的な役割を担ってこられたことを大変誇りに感じております。20世紀末までは選ばれたエキスパートたちのみにアクセスが許されていたアート市場ですが、今日では、より多数の人々に対して門戸が開かれています。私たちのサービスでは、どこでも無制限で閲覧でき、しかも1時間ごとに更新される情報を手頃な価格でご提供しています。私たちがご提供する高付加価値データがあれば、美術関係者や愛好家の皆様は、優れた作品や家に伝わる作品を安心して売買することが可能になります。」

アートマーケット・ドットコムCEO兼創立者のティエリー・エールマン

不確実性の低減

経済的な意味でのリスクというのはどんな形態の投資にもつきものですが、アートもこの原則の例外ではなく、むしろその原則が非常によく当てはまる投資ということができます。2000年にクリストファー・ウールの作品『無題』(1990年)を3万5,250ドルで購入するという思い切った賭けに出たバイヤーは、同じ作品を15年後になんと240万5,000ドルという価格で売却し、素晴らしい取引を締めくくりました。ただし、この投資には高レベルの不確実性に伴う大きな金融リスクが存在していました。クリストファー・ウールの作品価値が上昇を見せ始めたのは、実質的には2008年の金融危機後のことで、本アーティストのオリジナル作品についてアートプライスが算出した価格指数でもよく示されています。実のところ、クリストファー・ウールが2006年にガゴシエンギャラリーとサイモン・リーギャラリーへの参加を果たしたすぐ後になってからあるコレクターがウールのキャンバス画を購入した場合、そのコレクターは2000年に作品を購入した前述のバイヤーと同じリスクを抱えることなく、ウールの成功によりほぼ同等の利益を得ることができただろうと考えられます。

投資戦略

ボラティリティを低減するための第二の方法は、他の資産クラスと同様、ポートフォリオを多様化することです。アートプライス100(C)の具体的な存在意義は、まさにこの点にあるといえます。アートプライス100(C)なら、シンプルかつ客観的な分散戦略に従ったコレクションのシミュレーションを行うことができます。他の主要な株価指数と同様に、アートプライス100(C)では、アートのセカンダリーマーケットにおいて最も高いパフォーマンスを誇るアーティストに限った投資を行っています。

アート作品の「分割」そして「フラクショナル」投資

アートプライス100(C)は、その性質上、もともと純粋に理論上でのみ組み上げられたポートフォリオということができます。世界で最も成功している100人のアーティストの市場における代表作を集めたポートフォリオを作るというのは、現実には不可能であるためです。ただ、その中でアート市場へのフレキシブルな参加を可能にするツールというアイディアは、多くの投資家の支持を得ています。この分野では、マスターワークス、ARTBnkの両企業によるものをはじめ、リスクとリターンがすでに見積もられたコレクションの株を取得する機会を投資家に提供する、さまざまな新サービスが提案されています。これらのサービスには、自身の株をいつでも自由に売買できるという非常に興味深い特徴も備わっています。このタイプの商品には、ユニークな作品を最適な場所とタイミングで再販するために求められる、時間もコストもかかる作業を省くことができるという明確な利点があります。こういった中で、非常に独創的な可能性を示しているのがNFTです。NFTでは、非常にセキュアなブロックチェーンネットワーク内で、ユニークな作品や限定版作品のデジタル所有権の取引を行うことが可能です。取引コストは約2%から3%と、従来のアート市場と比較して大幅に低くなっています。ただし、このコストの低さは、アートディーラーやオークションハウスが提供する、専門家による鑑定やプロモーション業務が存在しないがゆえのものとも言うことができます。

アートマーケットについて

アートマーケットとその部門であるアートプライスは、1997年にCEOティエリー・エールマンによって創立されました。アートマーケットは美術品市場におけるグローバルプレイヤーです。中心となるアートプライス部門は784,000人以上のアーティストを網羅する3,000万以上のインデックスとオークション結果を含むデータバンクを所有しており、これまでと現在の美術品市場情報の蓄積、管理、活用の分野における世界的リーダーとなっています。美術品市場に関する情報を提供する世界的なリーダーであり、世界標準のマーケットプレイスを通じて、世界有数の美術品NFTプラットフォームになることを目指しています。