Market study on the Japanese art industry 2021

2022/03/10
by ADF Admin
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日本の美術品市場規模は2,186億円で全体では3%減 美術品の資産性商品として分析するためにアート指数を提案

今年も6回目となる「日本のアート産業に関する市場調査2021」が実施されました。約二万人を対象とした購入動向調査により、日本全体の美術品市場規模を2,363億円と推計。昨年からの減少率は約8.4%の減少となりました。これは欧米のアート先進国で20%以上の減少となる中で、限定的な減少幅となりました。

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その結果世界の美術品市場における割合を推計すると、2020年の世界の市場規模(7.0兆円)に対して日本(国内事業者の市場規模・2,270億円)は3.2%と推計されます。同時に美術鑑賞と購入の関連性を調査し、展覧会の市場拡大への寄与が検討されました。本調査ではアンケートによる動向調査にとどまらず、過去の美術品の価格動向を調査・分析して、美術品が資産性についても考察されています。そして新たに国内アートオークションの売買データを分析し、美術品には経年による減価するもの(美術工芸品と呼ぶ)に対して、一定の原資産価値を有し資産とみなせるものもあることが結論づけられました。

第一部①美術品、美術関連品、美術関連サービスの市場規模

アート産業に関する市場規模として、古美術や洋画・彫刻・現代美術などの「①美術品市場」を2,363億円と推計。合わせてグッズやカタログなどの「②美術関連品市場」が240億円、美術館入場料や日本各地で開催される芸術祭消費額を含む「③美術関連サービス市場」が355億円となり、3つの市場を対象とした総額は推計2,781億円となりました。図表1.アート産業に関する市場規模の全体像出所)

第一部②世界の美術品市場における割合

日本の市場規模の世界全体に対する割合について、2019年では3.2%と推計していましたが、本調査の前年国内事業者の市場規模である2,363億円について2020年の世界の市場規模(7.0兆円)に対する割合を計算すると3.7%となり、このコロナ禍において減少が限定的だった日本は、世界でのプレゼンスが上昇したと言えます。図表2 各市場規模の推移世界の美術品市場調査期間: 2020年1月〜12月

第一部③美術品購入の目的: 高額購入者(3年間で100万円以上)との比較

上述の調査での予測もありましたが、全購入者がインテリアやプレゼント目的であるのに対して、高額購入者はコレクション及び作家の支援が目的となっており、高額購入者=コレクター層が順調に成長していることが確認されています。購入している作品群の今後の値動きによって日本のアートマーケットの成長の方向性が決まります。図表3 各市場規模の推移

第二部①試作版アート指数の3作品群の推移

昨年の美術品には原資産価値があるとの証明から、今回は価格データを統計的に分析して市場の状況を把握するための指標がアート指数として提案されました。オークションの価格データの中で売買代金の上位50%の作家をスクリーニングして、年毎・家群ごとのみなし取得価格を算出しながら2006年の数値を1000として「Domestic Art」「Contemporary Art」「Foreign Art」の三つに大別し、算出しました。図表4 各作品群のアート指数図表4 各作品群のアート指数第二部②試作版アート指数と既存の指数・金融商品との比較 S&P500

試作版アート指数の「Contemporary Art」と株式の代表的な指数である「S&P500」については、強い正の相関が観察されました。2009年以降は上がり調子な点は共通していて、S&P500が先行して2008年、2018年に下がり、後から2009年と2019年に「Contemporary Art」が下がっています。このことから金融市場に遅行してアート指数が動く特徴が見られています。図表5 各作品群のアート指数日本のアート産業市場の実態を正しく把握し、今後のアート産業の拡大に向けて、アート事業者向けにとどまらずアートコレクターなどユーザーへの有益な情報を提供すべく、今後も継続的に同調査が実施されます。マーケティング資料としての動向調査に留まらず、商品としてのアートとしてリスク・リターンを計測するために価格分析やポートフォリオ分析など、今後も分野を広げて調査され、結果は国内外のアート産業関係者を超えて日本のアートマーケットが今後も成長・拡大していくために必要な信用・信頼を得るために、アートコレクターなどユーザーに対して効果的に活用されることが目指されています。

第一部基本設計

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第二部基本設計

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調査概要

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