"Learn from museum case studies! Handbook of Reasonable Accommodation" is available on the official website

2024/04/02
by ADF Admin
adf-art-designe-handbook-reasonable-accommodation-1.jpg

国立アートリサーチセンターによる誰もがアクセスしやすい美術館に向けた取り組み

国立アートリサーチセンターは、国内の美術館・博物館で働く職員や障害のある人を含むミュージアム利⽤者のために、具体的な事例などを解説した冊子「ミュージアムのから知る!学ぶ!合理的配慮のハンドブック」を制作しました。内容は2024年3月28日からNCAR公式サイトで公開されるほか、国内の美術関係者等からの要望に応じて配布される予定です。

NCARラーニンググループでは、アクセシビリティ事業の一環として、2023年8月に「DEAI(であい)リサーチラボ」を発足。「DEAI」は、Diversity(多様性) / Equity(公平性)/ Accessibility(アクセシビリティ)/ Inclusive(包摂性)の4つの文字の頭文字をつなげた略語です。リサーチラボは外部から有識者を迎え、世界的な潮流となっているDEAIの概念についてリサーチするとともに、多様な人々が美術館の文化リソースを利用できるための具体的な方法や要件を検討し、美術館運営に資する提案を行うことを目的としています。adf-art-designe-handbook-reasonable-accommodation-2.jpg?1712032855951

2024年度は全国の美術館・博物館の具体的事例をもとに「ミュージアムにおける合理的配慮」について理解を深める活動を行い、それらをまとめた「DEAI調査レポート」を公式サイトで公開しています。本ハンドブックはDEAIリサーチラボの活動を通した調査内容等をまとめ、発⾏することで合理的配慮への深い理解を促進し、現場における⾏動変容につなげることを狙いとしています。今後はこのハンドブックを活用した研修・レクチャーの実施のほか、さらに調査対象を拡大して全国のミュージアムにおける事例を可視化していくことを計画しています。adf-art-designe-handbook-reasonable-accommodation-3.jpg?1712032866132

内容

  • 「合理的配慮」の前提となる考え方の概念やポイント説明、図など
  • 「合理的配慮」実現までの3つのプロセス
  • ミュージアムの事例から考える合理的配慮、「合理的配慮」が実現されなかった事例
  • 参考文献・ウェブサイト

仕様

B5 変型 / 40ページ / 無線綴じ

対象

国内の美術館・博物館(ミュージアム)で働く職員(受付・看視・警備業務に従事する職員を含む)、関係者、障害がある方を含むミュージアム利⽤者など

ハンドブック制作の背景

日本では2000年代以降、「共生社会」の実現を目指した関連法が整備されてきました。2006年に国連総会で「障害者権利条約」が採択され、初めて「合理的配慮」という概念が明文化され、日本では2013年6月に「障害者差別解消法」が制定されました。さらに法改正により、事業者における「合理的配慮」の提供が公的施設だけでなく民間事業者も含め完全義務化され、2024年4月1日から施行されます。世界的にも日本社会においても、ミュージアムや文化芸術の果たす役割が明示されるようになり、「合理的配慮」の考え方を含め「DEAI」の概念は、もはや世界標準になっていると言えます。しかし、国内の美術館・博物館において「合理的配慮」への理解はまだ充分に浸透しておらず、障害がある方などに対する保障として充足しているとは言い難い現実があります。そうした課題に対応するべく、NCARでは「DEAIリサーチラボ」を立ち上げました。ラボメンバーが約半年間かけて、ミュージアムで実際に起こった「合理的配慮」の事例を集め、その事例をもとに「ミュージアムにおける合理的配慮」について検証と議論を重ねてきた内容がまとめられています。