国立アートリサーチセンター(NCAR)は日本の現代美術の国際的なアートシーンにおける存在感向上を目指して「アーティストの国際発信支援プログラム」を実施しており、2024年度第Ⅱ期の募集が2024年6月14日(金)から7月31日(水)まで行われます。世界各地で開催されるビエンナーレやトリエンナーレといった国際芸術展はアーティストにとって重要な作品発表の場であり、日本の現代美術の国際的な認知度向上に繋がる貴重な機会です。
今年度からスタートした本プログラムでは、日本国外で開催される国際芸術展に日本のアーティストが参加する際の費用の一部を、主催団体を通じて支援します。第Ⅰ期募集においては、アルル国際写真フェスティバル、釜山ビエンナーレなどの4つの国際芸術展を通じ、20アーティストへの支援が決定しました。
2024年6月14日(金)から2024年7月31日(水)まで
日本のアーティストが参加する国外開催のビエンナーレ、トリエンナーレ等国際芸術展の主催団体に対し、経費の一部もしくは全額を支援する。アーティスト一人につき350万円、複数の日本のアーティストが参加する場合は国際芸術展一つにつき上限額は700万円
日本のアーティストが参加し、国外で2024年12月以降に開幕し2025年11月末までに終了する国際芸術展であって国際発信力が高いと認められるもの
日本のアーティストが参加し、国外で開催される国際芸術展の主催者であり、独立した事務局体制と会計組織を有し、かつガイドライン記載事項を遵守できる団体
審査結果は2024年9月30日(月)までに通知
国際芸術展名 | 会期 | アーティスト名 |
アルル国際写真フェスティバル | 2024 2024年7月1日から9月29日まで | 新井卓、岩根愛、小野規、小原一真、菅野純、笹岡啓子、志賀理江子、鈴木麻弓、藤井光 |
2024釜山ビエンナーレ | 2024年8月17日から10月20日まで | 後日公開 |
バンコク・アート・ビエンナーレ | 2024年10月24日から2025年2月25日まで | AKI INOMATA、今津景、山下麻衣+小林直人 |
第11回アジア・パシフィック・トリエンナーレ | 2024年11月30日から2025年4月27日まで | 後日公開 |
国立アートリサーチセンター(NCAR)は「アートをつなげる、深める、拡げる」をキーワードに、国内外の美術館、研究機関をはじめ社会のさまざまな人々をつなぐ新たな拠点として2023年3月に設立されました。NCARにおいて日本のアートの国際的な発信と存在感の向上を目指す国際発信・連携グループでは、「アーティストの国際発信支援プログラム」に加え日本のアーティスト調査を希望する主要国際芸術展のディレクター・キュレーター等の招聘、国際芸術展に参加する日本のアーティストのインタビュー動画の制作・発信など、アーティストの国際発信を戦略的にサポートしています。また、国内外の美術専門家による意見交換や議論、対話の場を創出する事業として、2024年3月に国際シンポジウム・ワークショップ「美術館とリサーチ|アートを”深める”とは?」が実施されました。世界各国から集まった美術専門家45名が3日間のワークショップに参加し、3月22日に行われた一般公開シンポジウムには148名が参加しました。さらに、昨年度は大韓民国と北米(アメリカ合衆国、カナダ)に国内のキュレーターや研究者、計26名を派遣するスタディ・ツアーを実施。海外の美術館とのネットワークを構築し、国内外の美術館等や専門家との連携を深め、積極的な知見の交換や人物交流を行うことにより将来的な共同研究や事業機会の創出を目指しています。